オーケストラの楽譜について①

2023.2.22更新


■印刷について

 市販の楽譜はA4(297mm×210mm)より少し大きい305mm×228mmというサイズで多く出版されています。プロのオケではそれを使って収入を得るため、基本的に購入された原譜をそのまま使用して使うということが基本です。

 アマチュアでは全員分を買って行うということは少なく、弦は1部ずつ購入してコピーして使用するという方法や、最近では楽譜無料サイトやPDF打ち込みの楽譜をプリントアウトして使うことも増えました。

 

 まず簡単に言うと、コピーして使用する場合は「市販の楽譜をより再現すること」が良いと思います。

 楽譜サイズで見やすいように市販されているため、A4サイズにしてしまうと少し見辛くなってしまいますので、コピーする際にはB4サイズでコピーしはみ出した部分をカットして製本するということがベストです。

 ⇒同じ大きさでカットし、のりではる製本方法(私は最近していないのですが、過去したこともありこれもオススメです。写真もあったため外部サイトをリンクしておきます。)

 ですが、より見やすくするためにはB4サイズに(楽譜によって異なる倍率になりますが)拡大を試みて大きい楽譜で行うことも良いでしょう。

 

 個人練習用や個人のレッスン用楽譜のコピーでは縮小してA4でもいいのですが、2人で1つ見るオーケストラではB4拡大が一般的です。片面がA3サイズは少し目立つ大きさすぎるので、余程目が悪くない限りはB4までにしましょう。

 逆にB5以下のサイズやA4内に2面などはスコアを縮小して使うためや、ほぼ暗譜した個人曲を持ち運びやすいように使用するのは問題ないのですが、オーケストラ演奏のためにはよくありません。

 ※下記譜めくりについての注意あり

 

 PDFデータ楽譜は元々市販楽譜サイズで売っていたものが、A4に縮小されているものか、新しく楽譜作成ソフトでA4用に作成されているため、オーケストラ用にはコンビニかB4印刷できるプリンターでB4で作成しましょう。

☆スマホからコンビニ印刷アプリ

セブンイレブン iPhone Android (外部に飛びます)

ローソン・ファミマ iPhone Android (外部に飛びます)

 

LINEやメールに送られてきたPDFファイルを、上記のアプリに送り、コンビニで手順にしたがって直接印刷できます。

Androidはちょっと詳しくないのですが、iPhoneだとPDF開いたて左下にある矢印タップしたら2段目を横にスクロールさせると上記アプリを選択できます。

機会があったら挑戦してみてください😊


■製本について

 先程も言ったように、市販の楽譜をできるだけ再現することが必要です。左からページ順に貼り付けて行くことはもちろん、どちらが右のページになるのかも譜めくり時に重要になってきます。

 

 市販の楽譜でも古い出版年のものは続けて書いてあるため、譜めくりがしづらい場合があります。その場合は譜めくりがしやすいタイミングを考えて、空白ページを間に挟んで、その曲(楽章)を見開きページで見られるように製本することも良いでしょう。また部分的に複製し切り取って邪魔にならないよう次のページに貼り付け、長休符時に先にめくるなどの方法も考えてみましょう。

 

 譜めくりがないように済むためにと、行間を詰めてB4より大きなサイズの2面楽譜を作成する方なども見かけましたが、B5印刷と同様の結果になるためやめておいたほうがいいでしょう。

 

■製本の仕方(一般的テープでの貼り方)

 

 それぞれに製本の仕方があると思いますが、基本と、私の思うキレイに早く製本するやり方を書いておきます。

 

 まずはページの左右を確認して並べましょう。

 

 両面印刷の場合は表のまま、片面印刷の場合は裏返して揃えてください。


 キレイに並べたらテープを貼ります。

 テープは「製本用紙テープ」「マスキングテープ」「紙テープ」「サージカルテープ」などの丁度いいテープを使用しましょう。オケ楽譜では基本白テープがいいでしょう(個人用はカラフルでも可)。セロハンテープやナイロン製のテープはよくありません。できれば1度貼ってもすぐなら貼り直せるテープがいいでしょう。

 

 安全に行うなら仮で上下端に短く貼ってから、なれてきたら上部のみ貼ってから、一気にのばし真ん中、またその真ん中と数カ所軽く止めてずれないようにした後、真ん中から上と真ん中から下に向かって全面がくっつくように貼り付けてみましょう。

 簡易や急ぎの場合は、短いテープを上下真ん中の3点か4点だけで貼るという方法もあります。

 

 最後にシワになりにくいのりで端を糊付けしていったら完成です。背表紙を太めのテープで止めてもいいですね。

 

 ※片面の場合にテープだけだと、譜面台から落とした場合など大変なことになるので注意!

 ※オケの楽譜は片面だと20枚になったりもするので、コンビニプリントで両面にし枚数も重さも半分で済ませるのもおすすめです。

 

 また私の生徒さんならわかると思いますが、個人練習に使用する楽譜や、スコアなどは30穴パンチで穴を空けて、30穴バインダーや専用器具などで製本してしまうこともありですね。最近では無印良品でも丁度いいものがあります。

 もちろん個人練習用とスコアはiPadや私が使っているGVIDO(楽譜2面表示電子ペーパー)などのデジタル楽譜でもいいと思います。本番2人で使用する際にはB4用紙印刷のものを使うことをおすすめします。

 時間ができたら製本の動画でも撮ってみようかな?笑


■持ち運びや管理に関して

 本番用楽譜はできるだけまっすぐきれいな状態で使用しましょう!

 そもそも楽譜を縦横に折り曲げたり、丸めることは好ましくありませんし、1枚ずつの楽譜がしわくちゃになることも、立てづらくなり、シワで見づらくなるため好ましくありません。

 ファイルや楽譜ケース、楽譜かばんなどを使って、きれいな状態を保ちましょう!