レッスンやオーケストラで使う記号・言い方①

ボウイング・奏法

□ボウイング(弓の場所・運弓法)

 重心:毛の⅓辺りの場所。スピッカートで飛ばすとき。

 元(元弓)[Fr]:毛の一番元から重心までの場所。(独Frosch・英Heel・伊Tallone)

 中(中弓)[M]:重心から⅔までの場所。(独Mitte)

 真ん中[M]:弓の丁度½の場所。

 先(先弓)[Sp]:弓の⅔から一番先までの場所。(独Spize・英point・伊Punta)

 全弓[G]:弓をできるだけ端から端まで沢山使って弾くこと。(独Ganzer・英Whole・伊Tutto)

 半弓[H]:全弓ではなく少な目の弓で弾くこと。

 元半弓[uH]:弓の元から真ん中までで弾くこと。

 先半弓[oH]:弓の先から真ん中までで弾くこと。

 元(0)→⅕→¼→⅓(重心)→½→⅔→¾→⅘ 先 (脇坂流)

 弓をブレーキする:一弓の中で弓のスピードを一旦緩め節約した後、長い音符もしくはスラーの後半に弓を使うときの運弓法。

 弓を滑らせる:弓軽めに乗せ、弓のスピードを速く弾くこと。

 ねばる:弓をゆっくり使い残しながら弾くこと。汚い音色にはしない。

 コンパクト(に):弓幅を少なくまとめて弾くこと。

□弦楽器の奏法(主な奏法+俗語)

 アルコ(arco):弓で弾く奏法。(pizz.などの普通以外の奏法から戻す場合に記載)

 ピッツィカート(pizz.):指で弾く奏法。弦を指板の上で横にはじく。

 スル「ゲー、デー、アー、エー」(Sul G,D,A,E):指定の線で演奏する。ローマ数字Ⅳ、Ⅲ、Ⅱ、Ⅰで書かれる場合もある。Viola、Celloの場合Sul Cも有り。

 フラジオ:フラジオレット。弦に触れる程度で指を置き、倍音を鳴らす奏法。別途参照(準備中)

 グリッサンド(glissando):弦→1本の線で音を上から下もしくは下から上に間の音を弾きながら滑らせ移行する。

 ポルタメント(portamento):ある音から別の音に移る際に、徐々に音程を変えながら移行する。グリッサンドより上下実音の近くで少し入れる。

 コン・ソルディーノ(con sordino):ミュート・弱音器(変音器)を付けて演奏する。

 センツァ・ソルディーノ(senza sordino):付けていたミュート・弱音器(変音器)を外す。

 スル・ポンティチェロ(sul ponticello):駒の上、駒寄りで弾くこと。(鉄っぽいシャリシャリした音色)【スルポン】

 スル・タスト(sul tasto):指板の上で弾くこと。(柔らかく静かな音色)

 コル・レーニョ(col legno):弓の木の部分と毛の部分両方で弾くこと。

 バルトーク ピッツィカート:弦を縦にはじいて指板に弦を強くぶつけるほどはじく奏法。

 オン(on):弓を弦に置いたまま弾く。

 オフ(off):弓を弾いた後、弦から離す、跳ばして弾く。【飛ばし】

 デタシェ(仏Détaché):弓を弦に置いて1音ずつ弾くこと。主に½~⅔辺りで弾く。跳ねたりアクセントを付けたりしないで普通に弾く。

 スピッカート(Spiccato):4分音符や8分音符のスタッカートの音を跳ばして(オフ)弾くこと。【飛ばし・off】𝑓のとき⅓辺り。𝑝のとき½辺り。

 半飛ばし:16分音符や速い8分音符を毛は離れずに棒だけ弾ませ粒をはっきりさせて弾く奏法。(サルタンド、サルタート、仏ソティエ)½~⅔辺りで弾く。

 リコシェ(仏ジュテ):弓を落とすだけの奏法。弓をできるだけ軽く持ち、落として跳ね返った弓をコントロールし、2つ、3つ、4つなど一弓でリズムに合わせて演奏する。⅔辺りで弾く。

 マルテラート(仏マルテレ):ハンマーで打つように、各音の始めを強く鋭く弾く。基本弓先(⅔より先)でonの奏法を表すが、弓全体どこでも使う奏法。

 ポルタート:一弓のボウイングで柔らかく切る奏法。弓(音)は止めないで弾きながらもう一度弾く感じ。

 きざみ:トレモロマークで省略された音符を数通り演奏すること。

 トレモロ:リズム内で数関係なく反復する奏法。½~⅔

 シフト:シフティング。ボジション移動すること。

 オープン:開放弦で弾くこと。

 1st・2nd・3rd・4th…(ポジション):左腕の構えるポジション番号


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